【本】源氏物語 巻一 瀬戸内寂聴・訳
最近読んだ本で源氏物語を取り上げているものがあり、未読ゆえ歯がゆい思いをしてしまったので意を決して手にとってみた次第です。
源氏物語 巻一
「意を決してだなんて大げさな」とお思いかもしれませんが、わたし、昔の書物というものを読んだことがないのです。せいぜい遡っても夏目漱石あたりが、わたしの読書歴の中では古株さん。江戸時代以降の作品しか読んだことがない(国語の教科書を除く)ので、源氏物語なんて未知の中の未知。
で、「いとをかし」「ほほほほほ」的な訳わからん会話が続くんじゃないかとびくびくしながら本書を手にとってみたわけです。もちろん現代語訳じゃなくちゃ無理です。瀬戸内寂聴訳を選んだのに特に意味はありません。本を買いに行った時、真っ先に目に付いたのがこれだったからです。
表紙もなんか可愛いし(結局そこ)
いつ「いとをかし」が出てきて「ほらぁやっぱり出たよをかし~」とげんなりするかと怯えていたのですが、考えてみたら現代語訳で「をかし」は出てこないですよね。気付けよわたし。あと、時代的に「をかし」が合ってるのかどうかも知りません。完全なる無知です。
無知の塊が読みました、源氏物語を。基礎知識ほぼゼロの状態です。
・・・面白い・・・。
なに?平安の世の方々はこんな面白い作品を読んでらしたの?現代のように娯楽がたくさんあるわけではない時代にこんなエンタメ爆裂な作品が出たら、そりゃみんな読むわ。後世にも残るわ。
「源氏の君推せるし妄想捗る(現代語訳)」とか言いつつ筆でさらさらぁっとファンアートを描いた平安人もいたりしたんじゃないでしょうか?どの時代にも絶対いるよね、ヲタクは!わたしはヲタの味方だよ!そういう文献とかないんでしょうか。
ネタバレとか気にしないで感想書いちゃっても大丈夫ですよね?
そんなこんなで、わたしが初めて出会った源氏の君ですけども。すごいですね。いくら女好きとはいえまさか幼女にまでその触手を伸ばそうとは思っていなかったですよ。女のためなら何でもするんだなお前!一周してむしろ潔いわ!そして想像以上に女好きで驚きましたわ!あとね、夕顔は可哀相だったよ、源氏の君。あんたそんな、生息地からむりやり連れて来た希少動物をストレスで死なせるような真似して、非道にもほどがあるわ。そうそう、六条の女君が冷たくするのも無理ないことなんですぜ?自業自得ってやつで。
などと結構感情移入して読んでしまいましたね・・・。
そんな中、心に残ったのが源氏の君の放った「教養のない人間ほどわずかな知識をひけらかしたがる」という言葉。あっ、気をつけよう・・・と素直に思ってしまいました。でもまぁ源氏の君、あなた教養はすごいけど節操はないよね。