無事です。北海道民より。
この度の地震で被害に遭われた方々や亡くなられた方々、及びそのご家族へ、心からお見舞いとお悔やみを申し上げます。
真夜中の地震、大変驚きました。
就寝中、緊急地震速報に起こされたのですが、普段、目覚ましのアラームだとなかなか目が覚めないのに、さすがに緊急地震速報は飛び起きますね。
速報の「地震です」という音声を聴きながら「…来る!」という心構えができた途端、ガタガタッと揺れ始める…。この「心の準備」ができるほんの数秒がどれだけ大事なことか。確実に身を守るターンに移れるって、大きいですよね。
今回わたしの地域は震度5。
近年、地震が増えたせいか、揺れ始めてからはその揺れがどう変わっていくか、わりと冷静に感じ取ろうとする自分がいます。昔はただ怯えているだけでした。
この揺れが、家の中で待機しても大丈夫そうか、家を捨てるべきものなのか。わたしはそこを考えるようになりました。いくらテーブルの下に潜っても、天井が崩壊したらひとたまりもないでしょうから。
幸い、家は無傷で家族も無事、すぐにテレビで確認すると北海道中がとんでもない震度に見舞われていて目を疑いました。と、ふと気付くと部屋の照明がチカチカしています。なんだこれ…。とりあえず揺れもおさまったし布団へ戻って寝直そう、と横になった途端、停電になりました。
あー。消えちゃったか。まあ地震大きかったしね、明るくなる頃には復旧するでしょう、と思っていました。浅はかにも。
停電になったということは電気が使えない。ということは電池はなるべく温存したいからスマホはあまり使いたくない、でも情報収集がしたい、テレビはつかない、そこで活躍したのがラジオです。
我が家にラジオ本体はありません。が、わたしが普段愛用しているWALKMANにFMラジオが内蔵されており、イヤホンをさせばそれがアンテナの代わりとなって受信できるのです。イヤホンを使うのでみんなで一緒に聴けないのが難点ですが、自分一人で聴く分には十分です。
地元のFM局では既に非常放送が始まっており、地域の停電の様子、道路や水道の状況などの情報を繰り返し伝えてくれていました。幸い、わたしの地域では水道は止まることがなく、電気は止まったものの水が出るお陰でずいぶんと助かりました。時間はかかりましたが、手洗いで洗濯をすることもできました。
わたしの家はオール電化なので停電になれば物凄く困ります。前に「いつかそんな日が来たらヤバイじゃんw一応買っとこ」なんて家族で笑いながら買っておいたカセットコンロ。ガス4本付き(うち1本は冬に鍋料理をやった際の残り)。これが役立つことになりました。
わたしは普段から炊飯器を使わず鍋で米を炊くので、熱源さえあればいつもどおりのホカホカご飯を食べられます。停電中の夕飯時、家族からは「IHで炊くよりも火の方が美味しい」なんて声も出たくらい。
単に、炊飯器を置くとキッチンが狭くなるから、という理由で普段から鍋炊きなのですが、この習慣があったおかげでお米を難なく炊けました。
カセットコンロがあったから冷蔵庫の食材で簡単なものながら調理もできたし、WALKMANがあったからラジオでこまめに地域の情報も聴けた。たまたま車のガソリンを満タンにしたばかりだったからスマホの充電は車内でできた。水が出て天気が良くて風があったから、手洗いで絞り方の甘い洗濯物もすぐ乾いた。現金が手元にある程度あったから、コンビニで食料の調達もできた。
電気がないと困ることだらけでしたが、それでも「これが出来るよ!ラッキー♪」な事も結構あったと思います。
こちらは、地震発生から1日と十数時間…。2日近く経ってからの復旧となりました。今思うと「たった2日」でしたが、地震から1週間ほどたったのでは、と思うほど長く感じた2日でもありました。
その2日の間に、おそらくテレビでは「北海道で大地震!」的な番組ばかりだったのでしょうが、何せこちらは停電中。どんな報道をされてるか見ていないし、スマホの電池も無駄遣いしたくないからあれこれ検索したりもせず、ただひたすら地元のラジオを聴いていました。実際、地域密着型の役立つ情報が多かったのでとてもありがたかったのです。ラジオ局の皆さんも被災者なのに、ずっと情報を提供し続けてくださって本当にありがとうございました。
電気が復旧したのは日が暮れてからでした。部屋の中がスイッチひとつで明るくなることが、お風呂でお湯が使えることが、こんなにも嬉しくありがたいことだったのかと、その存在の大きさと幸せを噛み締めずにはいられませんでした。ご自身やそのご家族も大変な中、復旧に携わってくださったすべての方へ深い感謝を。
今回は我が家の災害に対する準備の甘さも露呈しました。日本各地で災害が起こる度「備蓄は大事だよね」と思うのに、それを準備することはしてきませんでした。募金をしたりして被災地に心を寄せているつもりでしたが、本当の意味で災害の恐ろしさを理解していなかったのです。
道内ではまだまだ復旧の必要な箇所があります。助けを必要としている方々がいらっしゃいます。節電要請も出ており、お店に行っても欲しいものは品切れです。報道ではみかけませんでしたが、北海道だけではなく、大阪もまだ台風の被害がひどいと聞きました。
正直、何をどうすればいいのか、今のわたしにはわかりません。誰のためにどう行動すべきなのか。募金くらいしか思い浮かばないのがもどかしいです。まずは各地が早く落ち着きを取り戻せることを心より願っています。そして自分の身近なところも日常に戻れることを。
そうそう、災害といえばデマがセット、といっても過言ではないと思いますが、今回もありました。そしてそのデマが目の前を駆け抜けるのを肌で感じました。
「□時から断水!」
前者はさすがに「予知できたら苦労しないわ。そもそも自衛隊の管轄か?それ」と笑ってしまいましたが、後者には騙され、水をためてしまいました。
断水の件はそれからすぐに、事前に登録してあった自治体からのメールが「その情報はデマだからね!信じないでね!(意訳)」と知らせてくれたのですが、考えてみれば、計画的に断水を行うなら事前に自治体からその旨メールがくるよな、と。気を付けているつもりだったけど、わたしもパニックになっていたのかもしれません。
わたし、学びました。
備えあれば憂いなし
ええ、今になってようやく…。人間、体験し実感を伴わないとなかなか行動に移せないものです…。わたしが愚かだっただけかもしれませんが。
今はまだ品薄で防災グッズは入手しづらいですが、状況が落ち着いたら少しずつ揃えていこうと強く思っています。
繰り返しになりますが、すべての被災地…地震、台風、大雨の被害に遭われた方々に一刻も早く日常が戻ることを心より願い、お見舞い申し上げます。