平凡な日曜日
休日だというのにアラームなしで平日とあまり変わらない時間に目が覚めてしまうのは老化現象のひとつなのかなあ、と思いながら、これまた老化の進みつつある目でスマホの画面を見始めた、日曜の朝。
そのまま布団の中でSNSを流し読みし、ゲームをする。スマホって色々出来てすごいよなあと今更ながら感心する。でも目にはあまり良くないんだろうな、この画面。
いつもより遅めの朝食をとり、今度はテレビ画面を使ってゲームをしながら洗濯機が止まるのを待つ。しばらくしてふと気付くと既に洗濯は終わっていたが、急いで干す理由は特にない。そのあとさらにもう少しだけゲームで遊んでから重い腰を上げた。
いい天気だ。
こんな秋の日には紅葉でも見に行くといいのかもしれない。脱水してヨレっとなった衣類をパンパンと振ってからハンガーにかけて干す。今日は洗濯物がよく乾くだろう。青い空に紅葉が映えるだろうな、なんて考えたけど、どこに絶好の紅葉ポイントがあるか思い付かなかった。
用事を済ませるために家族と出掛けた。必要なものの買い出し等を終えて帰宅するともう夕方。一日はあっという間にすぎてゆく。この調子でわたしは今年も紅葉を見逃すのだろう。
夕飯を食べながら見ていたテレビでは山の奥に住む大家族を紹介していた。そこの子供達がガムやコーラの味を知らない理由について「市販のお菓子よりも作ったものの方が美味しいから」と母親が語っていた。家庭の考え方はそれぞれだから「ふぅん」と見ていたけれど、子供の頃に食べる市販のお菓子って格別の美味しさなんじゃないかなあ、などと余計なお世話であることは承知のうえ、思う。
お風呂に入るのはいつでも面倒だ。しかし湯船に浸かっている時間は好きなのでプラマイゼロ。トータルでマイナスじゃないならそれでいい。湯船で、ジップロックに入れたスマホを指先で操作しながら、今日も何一つ建設的なことはしなかったなと振り返る。せいぜいスマホゲームの中の所持金が僅かに増えたぐらいだ。増えたところで現実の生活に利益が生じるわけではないが、わたしはこの数字をいつか最大値までもっていきたいな、と毎日ちまちま貯めている。
胸元まである髪を乾かしながらそのモッサリ具合を鏡で見て、そろそろカットに行かなくてはとぼんやり思う。今月は色々と出費が重なるから来月かなあ。それまでは結んでごまかしておこう。明日の朝寝癖がひどかったら、それも結んでごまかしてしまおう。
おやすみなさい。また明日。