よもぎ日記

ゲームや読書が好きなインドア派。平凡な日常ネタばかりになると思いますが、インターネットの片隅でこっそり生きていくつもりです。

【本】スタートボタンを押してください ケン・リュウ、桜坂 洋・他

よもぎです。

 

ゲームをテーマに書かれた短編のアンソロジーを読みました。わたしはゲームでよく遊ぶので、読む前からものすごく興味があった本です。

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ゲームSFというジャンルが爆誕!こいつは文庫で千円だぜ!ちょっと高いなー。でも最近、千円レベルの文庫が増えてきている気がします。主に翻訳もので。あ、ゲームSFって昔からありましたっけ。わたしが知らないだけかもしれません。

 

こちら、原書は26編もの物語が収められているそうなのですが、翻訳版は12編。他のも読んでみたいなと思ってしまう読後感。つまりわたしはこの本、とっても楽しかったんです。中でも特に好きだなと感じたのは、

ホリー・ブラック「1アップ」

ヒュー・ハウイー「キャラクター選択」

コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」

ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」

 

1アップはまさに1アップって感じでした(語彙力)うまいタイトルつけたもんだなーと感心しました。ゲームSFというより短編ゲームミステリというのが相応しいかなと。

 

キャラクター選択では夫に隠れてFPS(一人称視点のバトルゲーム)で遊んでた妻がついに夫バレ。やっべぇ!と焦るも怒らない夫。怒るどころか横からああしろこうしろと妻のプレイに口を出す。けど「わたしはわたしのやり方でやりたいの」と言い切った妻に乾杯。わたしだったら「黙ってて(怒)」と返すだろうな。妻、大人だな。

 

アンダのゲームRMTリアルマネートレード)がテーマ。これはゲーム内のアイテムを現実の通貨で売買する、よからぬ行為のことです。わたしが昔FF11で遊んでいた頃に実際にそういった話を頻繁に聞いていましたが(業者がいるそうで。)今でもあるのでしょうか。こちらは非常に考えさせられる内容でした。

 

時計仕掛けの兵隊は、なんといっても余韻が素晴らしい。こんな含みを持たせた終わり方…ずるい…すき…。

 

これね、ゲームをやる人なら結構楽しめると思います。ではゲームをやらない人は…?楽しめない、ということはないと思いますが、普段ゲームとは無縁の方ですと内容が専門的に感じる部分もあるかもしれませんね。SFがお好きな方なら抵抗なく読める気がします。