【本】見張る男 フィル・ホーガン
よもぎです。
先日、合鍵についてのブログを書きましたが、そのきっかけになったのがこの本です。
見張る男
主人公は不動産業を営む男性。この男、今まで売った家の合鍵を全てこっそり所持しており、家主の留守中に忍び込むのが大好きなんです。
で、忍び込んだ先で勝手に何か食べたり飲んだりして、使ったお皿は洗って拭いて片付けて。
めっちゃくつろいでんの。
住人の家族構成や留守にする時間帯を完璧に調べあげていて、うまいこと見つからないように立ち回ってる。メタルギアか。
こんな不動産屋、気持ち悪いですよね。でもだーれも彼の本性は知らないんです。まさか他人が留守の間に忍び込んでゴハン食べて帰ってるなんて夢にも思いませんよ。
そんな彼はある日、すれ違った女性に一目惚れしてしまい、彼女の家の鍵が欲しくて欲しくてたまらなくなってしまいます。さあて、どうやって手に入れようか…。
というのがこのお話。
女性の鍵を手に入れようと様々な計画を立て実行しますが、トラブルが発生、そしてその時彼が取った行動は…。
そのあたりは読んでみてのお楽しみ。なかなか面白かったです。彼の生い立ちも組み込まれているのですが、なんか寂しい人生だなと思いました。
解説にもあったのですが、彼は忍び込んだ留守中の他人の家で過ごす事でコミュニケーションをとっているつもりになっている、と。そんなのコミュニケーションでも何でもないのに…。そんな彼が哀れでした。でもそれ以上に色々ヤバイことをやらかすんです、この男。可哀想がってばかりもいられません。
「完全にイカれてる」これがわたしの率直な感想です。