【本】のぞきめ 三津田信三
よもぎです。ホラー小説が好きです。
のぞきめ
タイトルがひらがなだけのホラー小説って、なんだか怖さが増す気がしませんか?わたしだけかもしれないですけど。
この「のぞきめ」山の中の貸し別荘で夏休みのバイトを始めた大学生たちが、管理人から「これだけは、しないでくれ」と事前に注意されていたことをしてしまったがために怖ーい目にあってしまうんです。
その怪異の原因が後半で判明するのですが、わたしは「怖さ」よりも「悲しさ」が強かったです。
人を怖がらせる類のお話って、その発端は悲しい出来事が多かったりするんですよね。例えば「ここで女の人がこうやって殺されたので恨みに思って化けて出る」「未練が強くて成仏できない」「さみしくて道連れにしようとする」などなど。悲しかったり酷い出来事が起きた結果、命が消え「なぜ自分がこんな目に」と怨念だけが残り、生きている人たちに障る。その正体がわからないから、人々は怯える。
ホラーって悲しみと背中合わせになっていると思うんです。だからわたし近頃は、怪異の原因を突き止めるホラーを読むと、悲しいな…と感じます。あの貞子(リング)も、実は悲しい過去を背負っていたりしますもんね。