【本】レクイエム アントニオ・タブッキ
よもぎです。今の季節にこの本を読んでしまった自分が悲しいです。
レクイエム
七月の終わりのポルトガル、待ち合わせた人と合流するにはまだ時間がある。主人公は待ち合わせの時間まで様々な場所へ赴き、様々な人々と会い、会話をし、食事をします。
とても暑そうなんです。汗びっしょりだから替えのシャツを買わなくては、なんてシーンが出てくるくらい真夏。なんでこんな寒くなってから読んだかなー、わたし。これこそ、真夏のくっそ暑い時に読みたい一冊だというのに。内容を知らずに初読みだったから仕方ないですけど。春先に「桜の森の満開の下(坂口安吾)」を読みたくなるように、これからは真夏に「レクイエム」を読みたくなるだろうと思います。
すごく幻想的で素敵でした。夢の中をふわふわ歩いているような感じ。幻想的でありながら、痛いほど眩しい太陽の光を感じ嫌でも真夏であることを思い知らされる文章。これを真夏に読めたらどんなに素晴らしかっただろう。来年は絶対夏に読んでやる!