よもぎ日記

ゲームや読書が好きなインドア派。平凡な日常ネタばかりになると思いますが、インターネットの片隅でこっそり生きていくつもりです。

【本】魔眼の匣の殺人 今村昌弘

前回の記事を投稿した後、ぎっくり腰になってしまったよもぎです。

 

雪かきで軽く腰を痛めてしまい、その時は「ちょっと頑張りすぎてしまった」程度にしか思っていなかったのですが、その二日後くらいに着替えをしている際、ぐきっといきました。軽く痛めた腰が伏線だったようです。そんな伏線回収しなくていい。

 

さて、虚弱体質に腰痛属性が加わったわたしが最近読んだのがこちら。

 

魔眼の匣の殺人 今村昌弘

ずいぶん話題となり映画化も決まりました「屍人荘の殺人」の続編です。

前作で登場した班目(まだらめ)機関の謎を追い葉村と比留子が向かったのは、とある山奥の集落。そこで出会ったのは百発百中の予言をする老女でした。老女いわく「この地で、あと二日で男女あわせて4人が死ぬ」とのこと。予言は的中するのでしょうか。

 

そんなこと言われたら当然その「4人」には入りたくないですよね。帰ろうとしても、唯一の道である橋が落ちちゃって帰れなくなっちゃったんです。完全なるクローズドサークルです。本当に4人の死者が出るのか、それとも予言は外れるのか…。

 

ここで強く推しておきたいのは「予言」という非科学的な要素ではなく(もちろんそれも推しポイントなのですよ)トリック、推理といったミステリ要素です。基本的に文章が固くなく読みやすいし会話もテンポが良いのでスイスイ読み進められるのですが、なにより次から次へと出てくる謎を追うのにページをめくる手が止まりませんでした。

 

そして深まる機関への謎。前作「屍人荘の殺人」ではこの機関については多くは語られておらず、今作を読んで「ああ!なるほど!シリーズ化へ向けての伏線だったのか!」と思ったのですが、実はそうではなかったようです。そのあたりのことが著者である今村氏の言葉で説明されているサイトがこちら↓↓↓

hon-hikidashi.jp

どうやら大変な苦労をなさって今作を執筆されたようです。しかしそのおかげで、わたしは読書中とても楽しい時間を過ごすことができました。寝るときに少し読もうと本書を片手に布団に入ったのですが、結局一気に読んでしまい気付いたら朝方でしたから。こういった著者からの裏話も聞けると、より一層楽しめますね。もっとも、今村さんにとっては「楽しむ」とは対極のところにいらっしゃったことと思いますが…。

 

わたしは質の高いミステリだと感じました。伏線に次ぐ伏線、それらを見事に回収した結末が待っている。最高。

 

どうやらさらなる続編も出そうな雰囲気ですし、次の作品も楽しみに待っています。

 

心配なのは、人気があるからといってダラダラ何冊も続けてしまわないかしら…ということ。わたし個人としてはキリのいい所でスパッと見事に完結させてもらえたら嬉しいです。昔、好きで読んでいたとある海外のシリーズもので、ながーく続いた結果、登場人物の年齢や性格がごちゃごちゃし出してしまい、物語に面白みを感じられず続きを追うのをやめてしまった作品があるので、そういった形にはならないでほしい、と強く願います。